登場人物

 

 

とある世界(魔導書)のとある大陸にある〈街〉を舞台に活動している。

〈星光の灯火〉〈レッドヴェリル〉〈森の書館〉〈裏街〉〈廃教会〉〈その他の〉勢力がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈星光の灯火〉勢力

 

 〈街〉の中央街道の少し外れにある若干おんぼろな宿。

 冒険者たちが集ってチームを組み、依頼をこなしている。

 

 

 

★アラン 

  

 15歳の少年。身長168センチ。種族は人間。戦闘では片手剣を使う。  

 〈星光の灯火〉のリーダー……だが、仲間達にだいぶ支えられているため、まだまだ半人前な成長段階。

 活発で努力家。年齢の割には比較的落ち着いているが、熱くなりやすい。

 勇者になることを夢見ており、将来的には誰もが唸るくらいの強い男になって、認められる成果を出すことが目標。

 彼の中では「勇者っぽいこと」が非常に大事という謎理論がある。

 剣の腕は発展途上だが、なかなか筋は良い、はず。

 ドがつく鈍感。怖いぐらい純粋。

 正義感が強く、曲がったことを許さない。

 悪と断定した者にはとことん容赦がなく、悪は徹底的に成敗しなければならないという固定観念が強い。

 むしろその性質は勇者と言うよりも……?

 

「困ったことがあったら〈星光の灯火〉に任せろ!」

「俺もさ、物語に出てくるような強い勇者になりたいんだ。」

「勇者はお前みたいな悪者、見逃さないっての」

「俺、間違ってないよな?何も間違ってないよな?〝勇者〟なら、こうするんだろ。なぁ……」

 

 


★エスナ
 
 16歳の少女。身長169センチ。種族はエルフ。戦闘では弓矢を使う。

 <星光の灯火亭>のメンバー。
 面倒見が良いしっかりもの。心優しく困っている人は放っておけない。世話焼き。
 快活にさっぱりとした性格であるが、恥ずかしがりやな女の子らしい一面もある。
 お化けが大の苦手。背が高いのがコンプレックス。
 踊りが得意である、身のこなしは俊敏。
 アランの相棒であり、密かに彼に思いを寄せているが告白できずにいる。 

 故郷のエルフの森からは家出してきている。

 <森の書館>のルゼは実の兄。
 

「お節介って思われるかもしれないけれど、あたしがやれる限りのことはしたいの」 

「コラー!アラン!また無茶したでしょ!」

「困ったら皆を頼ればいいと思うの。だってほら、そういう時の仲間でしょ?」


 


★ウィ―ケル

 
 500年以上の長き時を生きる(外見年齢20代半ば)青年。身長174センチ。種族は吸血鬼。

 戦闘は魔術と稀に吸血鬼の能力を発揮した血液術を使用する。
 〈星光の灯火〉に所属している。参謀。

 高貴で紳士的。誰に対しても温厚。料理上手で趣味はお菓子作り。

 盟約によって妻であるミアーシャの血しか飲まない。超がつく愛妻家。フロンも実の子供のように大事。

 最高位の吸血鬼。とても強く、太陽の光や聖水でも死なない不死性を持つ。

 しかし吸血鬼である自分を嫌っている。

 魔術も嗜むが、それですら大魔術師を凌駕するレベルの腕前。博識。

 誰よりも戦いの才能があるが戦闘は好まず、平和に暮らすことを望んでいる。

 深紅の吸血鬼ことヴィエラティーヌの弟であり、〝身の一部〟。

 姉には拭いきれない程度には苦手意識がある。とある理由で棺桶の中に入ることがトラウマ。

 過去にとんでもない罪を犯したらしいが……?


「こんばんは。貴方にささやかながらも、素敵な夜がありますように」

「血液よりも紅茶のほうが好きな吸血鬼はおかしいでしょうか?」

「僕が生涯を捧げるのはミアだけですよ」




★ミアーシャ
  
 外見年齢20代前半の女性。身長158センチ。人魚と水精のハーフ。戦闘方法は精霊術と歌。

 〈星光の灯火〉に所属している。

 おしとやかで上品。だけども天然で稀に予想外なことをやらかす。

 水の属性が強く、水系統の魔法を得意とする。歌がとても上手い。
 若干天然気味。マイペースで大の方向音痴。
 歌が得意であり、様々な歌や物語を知っている。

 水精人魚のため地上より水中のほうが活動しやすい。

 地上では二本足だが水中では人魚の尾に変化する。

 ウィーケルの妻であり彼のことは深く愛している。

 お嬢様らしいが長らく幽閉されていたため世間知らず。そのため何でも知りたがる。好奇心は旺盛。

「この世界について、もっと深く詳しく知りたいの」

「ウィルのこと?彼は昔、私を檻から連れ出してくれたのよ」

「水陸両方を生きるって、結構大変なことなのね」

「大抵ことは何とかなるはずよ。ほら、気まぐれが雨が降るのと同じような確率で」

 

 


 

★イフリー

  

 年齢不詳の少女(外見は10歳)。身長130センチ。種族は火妖精。戦闘方法は精霊術と歌と踊り。

 〈星光の灯火〉に所属している。

 高飛車で我儘。強引で人を見下す節があるが、意地っ張りであったりツンデレであったりと可愛らしい一面も持つ。

 妖精だけが住まう不思議な次元に暮らしていたが、妖精楽士の修行の一環としてアランのもとに送り出される。

 楽士であるため歌うことは得意であり、踊りながら歌うことを好んでいる。

 アランには小言は叩くが非常に懐いており、特別な感情さえ抱き始めている。

 ゆえにエスナのことは一方的にライバル視している。水と火の関係でもあるせいかミアーシャのことは少々苦手。

 

「見た目が子供だからってなめないことね!」

「人間も人間以外も本当におバカね~。妖精とは大違い!」

「ふーんだ!全員痛い目にあえばいいのよっ!」

 

 


★フロン

 

 年齢は生まれて間もない(外見年齢は10歳)。135センチ。種族はホムンクルス。戦闘方法は錬金術。

 〈星光の灯火〉に所属している。

 多少の知識はあるが記憶が始まったばかりゆえに、どこまでも純粋無垢。素直で心優しい。

 嘘がつけない。

 好奇心旺盛であり、気になったことはとことん調べたがる。

 特に錬金術に強い興味を示しており、少しずつ術を習得してきている。

 ウィーケルの力によって人間同様に活動できるため、ウィーケルは父親のような存在であり、パパと呼んでいる。

 ミアーシャには実の息子のようにかわいがってもらっており、ママと呼んでいる。

 自分を作り出した錬金術師の記憶は一切無いが、いつか再開したいと思っている。

 

「パパ!ママ!もっともっとお利口になったらね、二人のためにすっごい錬金術を見せてあげるねっ」

「ボクはいつまでもボクのままでいたいなぁ」 

「探究心は大切にってパパが言っていたよ!」

 

 


 

 

 

 

〈レッドヴェリル〉勢力

 

 〈街〉の奥にある〈裏街〉の入り口付近にある酒場。

 酒場であると同時に吸血鬼ハンターの本拠地でもある。

 

 

 

★シュヴァルツ

  

 32歳の男性。185センチ。種族は人間。戦闘には杭や銃、鉄槌や十字架などの吸血鬼狩りの武器を使用する。

 吸血鬼ハンター。

 〈レッドヴェリル〉のリーダー。

 男前で豪快。口調こそ粗暴だが根は優しく、面倒見は良い。しかし一度敵とみなした者には容赦しない。

 かなり博識であり、荒っぽいが理知的。合理主義。

 吸血鬼を激しく憎悪しており、吸血鬼という種族そのものを断絶すべく活動している。

 そのためウィーケルは目の敵にしている。

 ヘビースモーカーで、趣味は武器収集。大の酒豪。

 ショコラは自分の使役する屍者であり、過去に禁じられた死霊術で屍者にしてしまった存在。

 共に行動する相棒であり、実の娘に近しい大切な存在である。

 

「吸血鬼は一匹残らず殺す。俺はそのためにここにいるんだよ」

「テメエらの理念だの信念だの……まどろっこしいのはいいからとっととかかってきやがれ」

「ショコラは俺より強いぜ?ま、信じるか信じないかはテメエ次第だけどな」

 

 

 


★ショコラ

  

 享年9歳の少女。121センチ。種族は屍者。戦闘にはナイフ、鉄糸などを使用する。

 〈レッドヴェリル〉のメンバー。

 冷静沈着。常に無表情だが喜怒哀楽が無いわけではない。意外と饒舌な面もある。そして毒舌。

 シュヴァルツに使役されており、深く忠誠を誓っている。

 メイドの服装をしているが家事は大の苦手である。特に料理の腕前に関しては致命的。

 俊敏であり、隠密行動や暗殺を得意とする。

 人を殺すことに基本的に躊躇が一切ない……ように見える。

 普段はシュヴァルツと共に吸血鬼を狩ったり、もしくはバーで不慣れな給仕をしてたりする。

 

「ヴァルツさまのじゃまをするのはゆるさない、です」

「ショコラはショコラのやりたいようにやるのと、ヴァルツさまがやりたいことを、できるようにどりょくすることを、モットーにしてる、です?」

「いきていたときよりもしんでよみがえってからのほうが、たのしい、です」

 

 


★ジェイムス

  

 21歳。169センチ。種族は人間。非戦闘員。

 〈レッドヴェリル〉のメンバー。

 若くして熟練の腕前を持つ天才料理人。

 気弱さと大のあがり症ゆえにあまり成果が出せない不憫な青年。

 本人曰く、裏方の更に裏方。

 過去にシュヴァルツに命を救われており、それ以降は酒場の料理人として働いている。

 料理に関してはとことんこだわっており、気がつけば料理の評判の良さから酒場を人気店に成長させていたりと、稼ぎに非常に貢献している。

 

「人生を彩るには美味しい料理が必須です!」

「この店に来る人は前までは怖い人ばかりだったんですけど、最近は一般のお客さんも来てくれるのが幸いですね」

「ひえッ!?ぼっ、僕はただのしがない料理人ですッ!」

 

 


★トイルカ

 

 15歳。種族は人間。非戦闘員。

 〈レッドヴェリル〉のメンバー。

 生まれつき盲目であり、右足は事故の影響で不随となっている。

 平和的でおとなしい。苦難にめげず乗り越えようとする前向きな心の持ち主。

 過去にシュヴァルツに命を救われて以来、酒場で世話になっている。

 非常に賢く、特に数を用いた学問を得意とする。

 分析力に長けており、参謀として様々な面で活躍することも。

 

「大丈夫。ちゃんとついていくよ。独りじゃなければ、どこにでもいける」

「数で証明できないことなんてないよ」

「わたしは皆が無事に帰ってきてくれれば、それだけでいい」

 

 


★ハノンノ

 

 

 29歳。種族は人間。非戦闘員。

 フルネームはハノヴィリャ。

 〈レッドヴェリル〉のメンバー。

 温厚で母性に溢れる。怒らせるととても怖い。少しだけ悪戯好き。

 人生経験は豊富だが、色恋には非常に恥ずかしがりや。
 過去にシュヴァルツに命を救われている。
 数年前までは誰もが知る有名歌手だったが、とある一件を境に表の舞台から消え、今は酒場で歌うようになっている。
 歌を歌うことが大好きであり、自分の歌が誰かの糧に成るのならばこれ以上の幸せはないと思っている。
 ホラーやスプラッタに耐性があり、特にホラーに関しては本人が好きなレベル。
 シュヴァルツに密かに思いを寄せいているが、伝えられずにいる。
「私は、最後まで歌い続けるつもりよ。何故って、私は歌が大好きだから!」
「戦うことはできないけれど、心を癒すことはできる……といいのだけれど」
「お願いだから無茶しないで。シュヴァルツ……」

 


 

 

 

 

〈森の書館〉勢力

 

 〈街〉の外にある森の中にある館。

 魔術師ルゼ専用の工房でもあるはずだが、本の数が豊富のため、勝手に入ってくる人が多数だとか。 

 

 

 

 

★ルゼ

 

 外見年齢は22歳。178センチ。種族はエルフ。戦闘には魔法を使用する。

 フルネームはルゼルヴェルク。

 〈森の書館〉の主人。

 エスナの実の兄。

 冷静な合理主義。人付き合いを嫌い、半ばひねくれている。

 しかし困っている人は放っておけなかったり、何だかんだで世話焼きだったりと、クーデレ。

 胃痛持ちの苦労人。

 知識に貪欲であり、いつも研究や読書に明け暮れている。

 風や土、植物に関連した魔法を得意とする。

 興味を持ったことはとことん追求する。探求心旺盛。

 エルフだが運動はあまり得意ではない。走ることが嫌い。

 

「読書の邪魔をするな。更に俺の研究の邪魔をするな!」

「悪くない。むしろ、興味深い!」

「喧しい奴らはとっとと出て行け……まったく、ここは俺専用の書館だというのに」

 

 

 


★セルフィカ

 

 21歳。166センチ。種族は人間。戦闘には長剣を使用する。

 傭兵であり、現在はルゼに雇われ彼の護衛をしている。

 〈森の書館〉の番人役でもあるが、あまり機能していない。

 真面目で勤勉。しっかり者。中性的なこともあってたびたび男性に間違えられる。

 実家が貧乏なこともあって金に関することに厳しく、若干守銭奴。

 無駄遣いを嫌い、何事に関しても節約精神を貫いている。

 そこそこ面倒見がよいが、ドライな性格も相まって強面だと思われがち。

 セルフレイドの子孫。

 

「仕事はしっかりしますよ。給金分は働かせてもらいます」

「無駄口を叩いている暇があったら行動したらどうですか」

「ルゼさん。お願いですから寝てください死にますよ?」

 

 


★ジズリ

  

 

 外見年齢16歳の実年齢24歳。身長161センチ。種族は夢魔。元人間。戦闘時には夢関連の魔法を操る。

 フルネームはジズベルリーナ。

 人々の夢を傍観する夢魔であるが、元人間。

 常時ゆめうつつで、発言は基本支離滅裂かつ電波気味。どこにいても眠くなれば眠ってしまう。

 いつも地面から数センチ浮かんでいる。

 どこまでもマイペースで自由奔放かつおっとり。万年欠伸をしている。協調性は皆無。

 甘いモノしか食べない偏食家かつ、恥じらいが無いゆえに性には開放的。

 かつてはとある貴族の娘だったが、一族からは存在を隠蔽および抹消されてしまっている。

 いつもラマクという名前の何の変哲もないぬいぐるみを持っており、ジズリだけは彼と会話ができる。幻聴なのか真実なのかは不明。

 現在は〈森の書館〉に住み着いている。ルぜに対しては特別な感情があったりなかったりと謎。

 

「夢の世界にようこそ……ここではわたしは浮かべるの。浮かばれるの。永遠に……」

「……起こさないで」

「ルゼは、可哀想ね。とても、可哀想……」 

 

 


 

 

 

〈裏街〉勢力

 

 〈街〉の奥にある影の繁華街。

 犯罪や闇取引がごく自然に行われ見逃されているため、一般人はまず立ち寄らない危険区域。

 

 

 

★ロウェリー

 

 14歳。142センチ。種族は人狼。戦闘には爪、牙、双剣を用いる。

 〈裏街〉で個人の殺し屋を営んでいる少女。

 寡黙で人付き合いを極度に嫌う。熱しやすく過激。口が悪く、誰に対しても突き放すような態度をとる。

 唯一、同居人であるリオネルだけには子供らしい一面を見せることがある。

 半ば戦闘狂であり、激しい戦いであるほど高揚する。

 過去のトラウマからか、肉を食べることができない。

 人狼であるがゆえ、満月になると凶暴性が増す。

 普段は人の姿をしているが、狼の姿に変身することもできる。

 

「……話しかけないで」

「ぶっ殺されたいの?ぶっ殺す?ずたずたに引き裂いて晩肉にしてやろうか」

「……リオネル。今、帰ったよ」

 

 

 


★リオネル

 

 外見年齢28歳。168センチ。種族は有翼種。戦闘には歌術を使う。

 〈裏街〉在住の吟遊詩人。副業は画家。両職で生計を立てている。

 主に使う楽器はリュート。稀にハープ。

 温厚な平和主義。怜悧で社交的。

 音楽関連にはとても詳しく、音楽そのものを深く愛している。

 同居しているロウェリーの父親のような存在であり、彼女を大事に思っている。

 既婚者であり、過去に妻を亡くしている。その忘れ形見の娘を探すべく情報を集めている最中。

 翼があるため空が飛べるが、あまり高くまでは飛べない。

 

「私の歌が聞きたいのですか?」

「この街の人達はどこまでも自由で、好き勝手で……そういうところが好きなのですけれどね」

「今から語るは遥か古の物語―――――」

 

 


★ラスピード

 

 16歳。162センチ。種族はダンピール。戦闘には杭や銃を用いる。

 〈裏街〉にて情報屋をしている。

 自信家で努力家。若干ナルシスト。

 右手は義手であり、仕込みナイフなどが収納されている。

 過去にシュヴァルツに救われており、それ以来、自称弟子として彼を慕っているが割と冷たくあしらわれている。

 〈レッドヴェリル〉のほうで時折こき使われている。

 吸血鬼と人間のハーフであるが、吸血鬼のことは毛嫌いしている。

 

「オレは半分吸血鬼だけど、好きでこうなったんじゃねえっての!」

「へへっ。オレはやる気じゃなくてもやれる男だっつーの!」

「しゅ、シュヴァルツさんに認められるまで諦めねえからな!絶対にな!」

 

 


★ルナリール

 

 外見年齢12歳。140センチ。種族は魔族。戦闘には宝石類を用いた魔法を使う。

 〈裏街〉にて占い師(預言者)をしてる。

 僅かだが未来予知ができ、その能力を生かして占いをしている。

 高慢で高飛車。綺麗好きで毒舌。そしてツンデレ。

 高貴な血族のお忍びの姫であるため、人を見下しがち。

 勤勉で努力は惜しまない。

 宝石や可愛い物が大好き。

 密かにラスピードに片思いをしているが告白できずにいる。

 

「悪運尽きたわね!当然と言えば当然よ」

「わたしのことなめてんじゃないわよ!これでも姫なのっ。あんた達とは格が違うのよ!」

「そっ、そそそういうつもりで言ったつもりは欠片も無いけど!?ばっかじゃないの!」

 

 


★モリゾナ 

 

 外見年齢50代。188センチ。種族は吸血鬼。元人間。戦闘にはメスなどの医療器具を使う。

 〈裏街〉で闇医者(本人曰く普通の医者)をしている……が、一定の住所(家)を持っていないため究極フリー状態。

 陽気でテンションが高い。好奇心とユーモアにあふれている。そして弄られ役。いろいろと不憫。自称紳士。

 もともとは人間だったが、ある吸血鬼に血を吸われて眷属にされて以来、自身も吸血鬼と化してしまった。

 だが吸血鬼としては弱小であり、人間の血を必要としなかったり日に当たっても平気。

 惚れやすく、ナンパ癖がある。だが本心は一途。押され弱い。そしてモテない。

 人の命を救うことを望み、敵であろうと手を差し伸べてしまう危うい博愛精神の持ち主。

 密かにセルフィカに惹かれているがいろいろと壁がありすぎた。

 

「吸血鬼ではなく気楽に献血鬼と呼んでくださっても構いませんよ!」

「吸血鬼でも人を救いたいと思うこと何がいけないのですか!」

「わあああぁにんにくはやめてくださぁあああいッ!」

 

 


 

 

 

〈廃教会〉勢力

 

 〈裏街〉の一番奥にある廃れた教会。

 現在はミロノコシ教を信仰する者が暮らしている。

 この街で最も危険な場所と言われているとかいないとか……。

 

 

 

★ブライアン 

 

 40代と思われる。161センチ。種族は人間。戦闘は主に拳法(カンフー) 。

 〈廃教会〉で暮らす、ミロノコシ教の神父。

 基本的に穏やかで紳士的。時に慇懃無礼。誰に対しても遠慮のない物言いをする。

 思考がぶっ飛び過ぎており、基本的に人の話を聞かない。

 ただし何事に対しても優秀で、有能。

 狂信者であり、信徒を増やすために日々過激とも言える布教活動に励んでいる。

 本人は善意、もしくは他意なく行動していても割と被害が出る。

 そのため〈街〉では最も危険な人物と畏れられ、一般人からはだいぶ怯えられている。

 人間だがカンフーの腕前は人間離れしている。  

 大食い。酒豪。怖いもの知らずといろいろと肝が据わりすぎている。

 

「さて、信仰の時間だ。共に手を取り、祈ろうではないか」

「神を信じぬ者に救いは無い」

「暴力は時に救済へと繋がる。咎められても私は私の生き方を変えるつもりは毛頭無いのだ」

 

 


★ルゥスラ 

 

 外見年齢20歳。155センチ。種族は半樹精。戦闘には肉体変化を利用した物理攻撃、植物などを操る。

 〈廃教会〉にてミロノコシ教を信仰するシスター。

 樹精と人間のハーフであり、首から下は人に擬態した醜悪な植物である。

 基本的には温厚で社交的。しかし神のことに関すると熱が入り、狂信者の一面が浮上する。

 ブライアンのことを誰よりも尊敬しており、彼と共に過激な布教活動に精を出している。

 ドのつくマゾヒストであり、物理的にも精神的にも追い詰められると興奮する。

 嗜好も歪んでおり、醜悪で汚らわしいものを愛しており、逆に美しいものをあまり好んでいない。

 そのため、自分の体に咲く花をたびたび引き千切る、焼くなどしている。

 右顔面の火傷の痕はそのせいで残っている。

 性癖は非常に歪んでいるが家庭的であり、意外と料理上手。

 

「さあ共に信仰いたしましょう!ですわ!」

「雌豚って罵ってくださっても構いませんわ!」

「わたくしが好むのは蝶でも花でもなく、蛆虫と毒草ですわぁ」

 

 


★セルフレイド

 

 外見年齢20代後半。180センチ。種族は幽霊(亡霊)。元人間。戦闘には大剣を用いる。

 およそ1000年前に英雄として讃えられていた騎士。竜殺し。

 しかし生前に犯した大罪と、手にしている剣の呪いの影響で、成仏できなくなっている。

 ある事情から自身の記憶、感情を封じており、普段は半ば廃人の状態で〈廃教会〉で保護されている。

 だが近頃はサンドラの影響もあり、微かながらも意志が垣間見れるようになった。

 セルフィカの祖先であり、彼女には多大な罪悪感と後悔の念を寄せている。

 戦闘能力はすさまじく、剣の腕前に関しては右に出る者がいない。

 

「………………」

「……せる、ふぃか…………」

『断ち斬られよ。腐肉を撒き、汚濁を曝せ。大地を無残に穢すのは我が剣ではなくお前自身だ』

 

 


 

 

 

〈その他〉

 

 特定の組織には属していない者達。

 もしくは今後属するかもしれない者達。

 

 

 

★サンドラ 

 

 17歳。162センチ。種族はハーピー。戦闘にはブーメラン、羽矢などの小道具を用いる。

 郵便配達員の少女。

 天真爛漫で明るい。どこまでもポジティブで楽観的。ムードメーカー。

 人懐こく、誰とでも仲良くしたがる。

 郵便配達員であることに誇りを持っており、思いの籠った手紙を愛している。

 ある時偶然出会ったセルフレイドに非常に親しく接しており、彼に会いに行くのが日課になっている。

 空を飛ぶことが好きであり、飛行の腕前に関しては随一。

 疑うことを知らないせいか騙されやすい。

 

「郵便です!お手紙を届けに来たよ!」

「空は自由で、広くて、どこまでも続いてて……えっとつまり、あたしは空が大好きだよ!」

「セルフレイドさんセルフレイドさん!今日は面白いお土産話があるよっ」

 

 


★ヴィエラティーヌ

 

 外見年齢は20代半ば。種族は吸血鬼。戦闘には吸血鬼の能力を発揮した血液術を使用する。

 愛称はラティヌ。

 ウィ―ケルの姉であり、1000の時を生きる高位吸血鬼。

 刹那的な快楽主義。傲慢で残虐。悪女らしい悪女。

 一定の場所にはとどまらず、〈街〉には稀に通りがかる。

 ウィーケルには歪んだ愛情を抱いている。

 

「ああ、つまらない。弱小種族はつまらないわ」

「私が求めているものは、退屈を解消し、固定観念をぶち壊すような……大きな大きな〝衝撃〟」

「お姉さんの言うことが聞けないの?ウィーケル」