序
もしもこの石版を読んでいる者がいるのなら、伝えておきたいことがある。
これを刻んだ僕は間違いなく死んでいる。だからこそ頼みたい。冗談でもなければ悪戯でもない、これから刻んであることは紛れも無い事実だ。
このままでは近い未来、この世界が滅亡することになる。
それを回避するための術と、やってもらいたいことをここに残す。
これは全て僕の過ちによる結果であり、本来ならば僕一人で背負うべき咎だが、その時間さえも残っていない。申し訳ない。僕は無力だ。これが最後だ。どうか届いてくれ。
(中略)
……以上のことが僕が知るこの世界の真実であり、悍ましい歴史の正体だ。
いつの時代の誰がこれを見ているのかはわからないが、できることならば口外してほしい。口外し、世界中の者に知らせてほしい。そして二度とこのような悲劇が起こらないように、どうか世界を守ってくれ。
僕にはできなかったことを、成し遂げてくれ。
この世界を守るために。
すまない。〇〇〇。僕のせいで君は。
すまない。すまない。すまない。すまない。
それでも僕は、君を永遠に愛している。
君を救えなかった愚かな僕を、許さないでくれ。