1章 星船創造期

 

 

 混沌が渦巻く虚海にて七色の虹光を纏いし結晶が収束し、全から一となる。

 やがて一は虚海を漂う星船となり、内に星魂(エトラ)を宿す。
 意志を持ちし星船は星魂より出でし万物の素を形作り、数多を生み出す。
 初に時間。時の流れが世界に制定され、以後寸分足りとも狂いがなくなる。これには100の時間を有した。
 二に天。まだこの時天は暗黒色でしかなかった。これには100の時間を有した。
 三に太陽と月。天に朝と昼と夕と夜の四色が与えられた。これには100の時間を有した。
 四に大地。まだこの時大地は数多が混ざり合う濁色でしかなかった。これには100の時間を有した。
 五に海。濁色の大地を荒れ狂う水流が覆い尽くした。これには100の時間を有した。
 六に大陸。海水に満たされた星船に更なる船が浮かび上がる。これには100の時間を有した。
 七に元素。風と土と火と水を改めて星船に振りかけた。風により空気が生まれた。土により植物が生まれた。火により熱が生まれた。水により泉が生まれた。これには100の時間を有した。  
 八に生と死。万物の全てに始まりを与えた。万物の全てに終わりを与えた。永遠ではない命を与えた。これには100の時間を有した。
 九に生命。星魂より生まれ星魂に還る輪を作り出した。これには200の時間を有した。
 そして星魂から星船に乗るに相応しい生命が誕生する。これが原初の人間であり神である女神アムネリシアであった。


 

 

 

 

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